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上高地のまどろみ

朝の4時に目が覚めて、中判のフィルムカメラと三脚を抱えてホテルをでる。
上高地の大正池はまだ薄暗く、足元もおぼつかない。

それでも前日のロケハンのおかげだろうか、おおよそのイメージはできている。
僕はカメラを三脚にセットして光を待った。

5時前位だろうか?
山の向こう側の太陽が空に色を与え始め、大正池が霧に覆われていることが分かる。

すると、瞬く間に、世界が紅く染まっていく。
空も、池も、霧も…。

そして、まどろみの中、シャッターを切る。
1枚、2枚、3枚…。

しばらくして霧は薄れ、現実の世界が目の前に広がる。
フィルムカメラなので、すぐにモニターチェックすることはできない。
だけど、確かな手応えがそこにはあった。

15分後、一人のカメラマンが大正池に現れた。
でも彼は知らない。僕が見た夢の時間を。

夏の梓川
静寂の大正池
明神池に向かう道
晩秋の明神池

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