マイスター
今週のNHKプロフェッショナルは布団職人の新貝晃一郎さんでした。木綿布団づくり36年。現代の名工や黄綬褒章を受章されている布団作りのマイスターです。
正直、番組を見るまではあまり関心がなかったのですが、布団作りに打ち込む情熱や姿勢、考え方に感動して、2回も見てしまいました。
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特に衝撃を受けたことは、布団作りの工房の壁に書き綴られた言葉達です。
「誰にもできないことを、誰にもできないくらいやる」。
番組内でもキーフレーズとして何度も繰り返された言葉は、新貝さんの「Philosophy(哲学)」といえるでしょう。
また、「布団を作るのではなく、その向こうにある笑顔をつくる」という言葉から、自分の仕事によってどんな世界をつくっていくかを表した、明確なビジョンを感じます。
多くの企業でも、従業員やステークホルダーに対し、会社の存在意義や方向性、行動規範を示すMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)が制定されています。
個人でも法人でも、仕事に取り組む哲学や世界観を言葉にすることにより、生み出す製品やサービスに魂が吹き込まれ、結果としてそれがブランディングになっていきます。
番組の最後のシーン。新貝さんは、高齢のお客様から「布団のような中の見えないものは、人を買うんだよ。」という言葉をかけられました。
いつの時代でも、人の心を打つのは情熱と哲学。
真摯に仕事に打ち込む中で生まれた思想が言葉となり、製品と共にお客様の心に響いていきます。
その結果として、「あの人から買いたい。」となるのでしょうね。
新貝さんの生き様から、パーソナルブランディングの奥深さと、仕事への姿勢の大切さを学ばせていただきました。